及川 順子
仕事が楽しくて仕方がない先輩に憧れて。いま彼女たちの気持ちを実感しています。
美術部 美術塗装課
及川 順子
Junko Oikawa
2013年入社/武蔵野美術大学 造形学部 映像学科卒
入社のきっかけは?
美術が大好きで美大に進みましたが、他大学の演劇サークルに入部したことをきっかけに舞台美術に興味が湧いたのです。そこで本格的に学ぼうと武蔵野美術大学の映像学科に入り直し、専門知識を身につけました。就職活動の際、合同説明会に角川大映スタジオから2人の先輩が来られていて、その方々から仕事のお話を伺い、入社を決めました。お二人とも仕事が楽しくて仕方がないといった感じで、私も「ぜひやりたい!」と思ったのです。
仕事の内容は?
撮影のためのセットに塗装をする役割です。大道具が製作したセットに、デザイナーの要望通りに色付けやエイジングを施します。その他、床や壁などの塗装も行います。CMなどのセットは約半日、一人で仕上げることもありますし、ドラマなど大掛かりなものになれば、10人くらいで担当し、撮影が終了するまで長いと半年くらい携わっていることもあります。下地の色や塗り方によって仕上がり具合が変わってくるなど、奥が深い仕事です。先輩の知識やアドバイスを参考に、自分なりに工夫を重ねる。そういった探求心が求められる仕事です。
やりがいを感じる瞬間は?
すごくやりがいを感じ、勉強になったのは、ある特撮映画での経験です。デザイナーも業界ではかなり有名な方で、キャラクターの半身の塗装を任されたのですが、もうとにかく指示が細かくて。鼻の穴の色まで指定されて驚きました。「影が入るから、この色で仕上げてください」と。ここまでこだわるのだなと感心したのと同時に、仕事に対する向き合い方、責任感の大切さを学ぶことができました。夜中までかかって仕上げ、デザイナーから「OK!」と言われたときの達成感はいまも忘れられません。
会社の良いところは?
角川大映スタジオはとても歴史があり、塗装に関する技術も、長年にわたり受け継がれてきたものがたくさんあります。と同時に、新しい技術や素材なども積極的に取り入れる会社なので、スキルを磨き、この道のオーソリティとして成長していきたい人にはうってつけの環境と言えるでしょう。仕事の進め方も自由で、色や塗料の選定、調合の仕方などは自分で決めることができます。入社1年目からどんどん挑戦させてもらえるので仕事も楽しいですし、失敗も重ねながら着実に成長することができます。
現在の目標は?
いま以上に経験を積み、クオリティの高い作品を生み出していきたいです。実はまだ小さな子どもがいて、どうしても時間的制約があるので、そんな中でもスピーディに、いいものを仕上げる技術を身につけたいと考えています。育児をしながら活躍する女性スタッフは、塗装課ではまだまだ少ないので、私が頑張って、いい目標になれればと思っています。これからも、ずっと長く活躍していきたいです。
どんな人と一緒に働きたい?
この仕事は、デザイナーの意図を組み、彼ら彼女たちのイメージを再現する仕事です。ですから、いい意味で“完璧主義ではない”ことが大切となります。プライドが高すぎると、おそらく壁にぶつかります。自分の技術や調色に自信を持つのはいいことですが、それを出し過ぎず、柔軟にものごとを考えられる人に仲間になって欲しいですね。アーティスティックな方はもちろんのこと、何もやったことがないという方でも活躍できますよ。美大出身者ばかりではないですから。知識や技術がない方のほうが、かえって吸収力は高いもの。ぜひチャレンジして欲しいです。

SCHEDULEある1日のスケジュール

  • 9:00
    デザイナーから渡された図面を確認。大道具が製作したパネルに下地を塗っていきます。
  • 11:00
    下地を塗ったあとは、引き続き上塗り作業。調色も自分の判断で行います。
  • 13:00
    材料が豊富に用意されるなど、製作環境は整っています。単に色を塗るだけでなく、大きなパネルを運ぶなど、体力仕事もありますよ。
  • 16:00
    図面や仕上がり見本を見ながら打ち合わせ。細かな要望をヒアリングし、すり合せしておくことが肝心です。
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